10月26日(水)の候で。深更『芝公園六角堂跡』のゲラチェック後、手製のカレーライス。以前は”ジャワカレーの辛口”、いまは”バーモントカレーの辛口”に変更。「家のカレーがもっぱらこれだったが、やはり美味。もう五十歳になるのに、ラクに二皿いける」とある。
その作家の作品を読み続ける原動力は作品の嗜好だけではなく、その作家の食い物の好みにも通底するものがあってこそ成立するのだと改めてしる。
前作「不屈の章」が発刊されたのが去年の五月、それ以前のものもほぼ毎年この時期に刊行されていたと記憶しているが、今回の「新起の章」は、スケジュール的にはほぼ半年遅れ。連載が「野性時代」(角川書店)から「本の雑誌」(本の雑誌社)に乗り代わってのことと愛読者にも推察されるが、著者が前作のなかでも一行触れていたように、「野性時代」の編輯長からの連載打ち切り通告が発端であったようだ。今年が発刊されるのかヤキモキしながらアマゾンを眺めていたが、新刊予約に「新起の章」が掲出されたときは、恥ずかしながらやや小躍り、小さくガッツポーズ。
で、冒頭の「バーモントカレーの辛口」の件り。この作品を楽しみ続けている理由の一つに、自分の食生活に通じる「B級」、「C級」感があるんじゃないのかとあらためて感じた次第。
自分は新刊本で書籍を買うことは滅多にないのであるが、この作家のこの作品については、予約のボタンが表示された段階で、躊躇うことなくクリックしてしまう唯一といっていい作品。
※愚直にして含羞の作家・西村賢太が2016年6月から2018年5月までの二年の日々をつづる平成最後の私日記。『一私小説書きの日乗』『一私小説書きの日乗 憤怒の章』『一私小説書きの日乗 野性の章』『一私小説書きの日乗 遥道の章』『一私小説書きの日乗 不屈の章』に続く第6弾。現代に暮らす“文豪”の日々。(※は版元ドットコムよりコピペ)
その作家の作品を読み続ける原動力は作品の嗜好だけではなく、その作家の食い物の好みにも通底するものがあってこそ成立するのだと改めてしる。
前作「不屈の章」が発刊されたのが去年の五月、それ以前のものもほぼ毎年この時期に刊行されていたと記憶しているが、今回の「新起の章」は、スケジュール的にはほぼ半年遅れ。連載が「野性時代」(角川書店)から「本の雑誌」(本の雑誌社)に乗り代わってのことと愛読者にも推察されるが、著者が前作のなかでも一行触れていたように、「野性時代」の編輯長からの連載打ち切り通告が発端であったようだ。今年が発刊されるのかヤキモキしながらアマゾンを眺めていたが、新刊予約に「新起の章」が掲出されたときは、恥ずかしながらやや小躍り、小さくガッツポーズ。
で、冒頭の「バーモントカレーの辛口」の件り。この作品を楽しみ続けている理由の一つに、自分の食生活に通じる「B級」、「C級」感があるんじゃないのかとあらためて感じた次第。
自分は新刊本で書籍を買うことは滅多にないのであるが、この作家のこの作品については、予約のボタンが表示された段階で、躊躇うことなくクリックしてしまう唯一といっていい作品。
※愚直にして含羞の作家・西村賢太が2016年6月から2018年5月までの二年の日々をつづる平成最後の私日記。『一私小説書きの日乗』『一私小説書きの日乗 憤怒の章』『一私小説書きの日乗 野性の章』『一私小説書きの日乗 遥道の章』『一私小説書きの日乗 不屈の章』に続く第6弾。現代に暮らす“文豪”の日々。(※は版元ドットコムよりコピペ)