実はこの「知の逆転」、二年ほど前に一度読了しているのだが、このときに受けた興奮がその後ずっと記憶の奥底で沸々と沸き続けていた。読み終わった本自体は地下のトランクルーム内の書棚に並べてあるのだが、数日前にアマゾンで何気にこの本を検索してみたら、表紙のデザインが新装されているではないか。しかもプライム枠(当日配送枠)それだけの理由で、私としてはめずらしく新刊注文してしまったのである。
何度も言うようであるが、同じ本が地下に眠っているのに、、。
注文当日の夜届いた本を開封すると、本の帯に「20万部突破」のゴシックの大きなコピーが堂々と謳われている。この種のジャンルで20万部というのは異例ではないのだろうか。本の世界でもやはり「本物」は評価され、買われるものだと改めて思う。
現代世界最高の叡智6人、「銃・病原菌・鉄」の著者で進化生物学者のジャレド・ダイアモンド、言語学者ノーム・チョムスキー、神経科医オリバー・サックス、「人工知能の父」マービン・ミンスキー、数学者であり企業家トム・レイトン、DNA分子構造の共同発見者で分子生物学者ジェームズ・ワトソン。
この6人にサイエンスジャーナリスト吉成真由美がインタビューし、纏められている。
今回私は、インタビューの聴き手であり、編集も主導したと思われるこの吉成真由美に注目したい。この本が売れたのは、それぞれの叡智が紡ぎ出す言葉の重み、新鮮な驚きということもあるがあ、吉成が果たした役割もかなり大きいのではないかと思っているのだ。
この場での不適切をあえて言うならば、例えばテレビのバラエティー、芸人たちの機関銃を撃ちまくるようなやり取り、ライブではその魅力が半減してしまうということをご存知だろうか。つまり「編集」という番組作りての技が加わってこその番組成立なのである。特に最近視聴率が好調な日テレ系のバラエティー番組についてはとくのそう感じている。
本書においては、このインタビュアー吉成真由美こそ、隠れた主役であり、ディレクターだ。今日現在ウィキペディアにも彼女の解説ページは見られないので、プロフィールは限られたものしか分からないが、ハーバード大学大学院心理学部脳科学を専攻した元NHKディレクターで、ノーベル医学生理学賞受賞者利根川進とインタビューで知り合い、その後結婚したという。ある意味、利根川進も惚れ込むほどの魅力と知性を持った女性なのだろう。
<備忘録>二年前の読書メモ
★「成長の限界」に達しつつあるかという点については、まさにその通りで、すでに成長の限界に達していると言わざるを得ません。世界の森林の伐採の限界、世界の漁場は開発され尽くした。あと20~30年もすれば、さらに30億人もの人間が大量消費するようになって、資源の枯渇に拍車がかかる。(ジャレド・ダイアモンド)
★ 日本は残念ながら世界漁場における過剰捕獲国の一つであり、世界の漁場安定化にためにリーダーシップを発揮すべき立場であるのに、まだそうしていない。これが現代日本の矛盾点です。(ジャレド・ダイアモンド)
★ アメリカ最大の民間輸出品目は、民間航空機でしょうが、民間航空機とは、要するに改良を加えた爆撃機のことですね。唯一市場原理だけで動いているのが金融部門です。だから何度も破綻する。世界を括目させたアメリカの大量生産システムも、政府の防衛部門によって開発された。(ノーム・チョムスキー)
★ 科学の歴史を振り返ってみると、叡智というものは、アイザック・ニュートン、ジョン・フォン・ノイマン、アラン・チューリング、アインシュタイン、などの「個人知能」によってもたらされているのがわかります。わずか100人の個人が、知的革命によって西欧の科学と言うものを形作ってきたわけで、大衆の「集合知能」のほうは、逆に科学を何百年も停滞させてきたのです。(マービン・ミンスキー)
★ 問題は研究者がロボットに人間のまねをさせることに血道をあげているということ、つまり単に「それらしく見える」だけの表面的な真似をさせることに夢中になっているというところにあります。なぜ福島原発にロボットを送りこんで作業させられなかったか、30年前の進歩はほとんど止まっている。(マービン・ミンスキー)
⇒※パラパラをロボットに踊らせる日本人開発者?(※個人注釈です)
★「生命とはDNAに保存された情報である」(ジェームズ・ワトソン)
さて二回目、読み始めようか、、、。
何度も言うようであるが、同じ本が地下に眠っているのに、、。
注文当日の夜届いた本を開封すると、本の帯に「20万部突破」のゴシックの大きなコピーが堂々と謳われている。この種のジャンルで20万部というのは異例ではないのだろうか。本の世界でもやはり「本物」は評価され、買われるものだと改めて思う。
現代世界最高の叡智6人、「銃・病原菌・鉄」の著者で進化生物学者のジャレド・ダイアモンド、言語学者ノーム・チョムスキー、神経科医オリバー・サックス、「人工知能の父」マービン・ミンスキー、数学者であり企業家トム・レイトン、DNA分子構造の共同発見者で分子生物学者ジェームズ・ワトソン。
この6人にサイエンスジャーナリスト吉成真由美がインタビューし、纏められている。
今回私は、インタビューの聴き手であり、編集も主導したと思われるこの吉成真由美に注目したい。この本が売れたのは、それぞれの叡智が紡ぎ出す言葉の重み、新鮮な驚きということもあるがあ、吉成が果たした役割もかなり大きいのではないかと思っているのだ。
この場での不適切をあえて言うならば、例えばテレビのバラエティー、芸人たちの機関銃を撃ちまくるようなやり取り、ライブではその魅力が半減してしまうということをご存知だろうか。つまり「編集」という番組作りての技が加わってこその番組成立なのである。特に最近視聴率が好調な日テレ系のバラエティー番組についてはとくのそう感じている。
本書においては、このインタビュアー吉成真由美こそ、隠れた主役であり、ディレクターだ。今日現在ウィキペディアにも彼女の解説ページは見られないので、プロフィールは限られたものしか分からないが、ハーバード大学大学院心理学部脳科学を専攻した元NHKディレクターで、ノーベル医学生理学賞受賞者利根川進とインタビューで知り合い、その後結婚したという。ある意味、利根川進も惚れ込むほどの魅力と知性を持った女性なのだろう。
<備忘録>二年前の読書メモ
★「成長の限界」に達しつつあるかという点については、まさにその通りで、すでに成長の限界に達していると言わざるを得ません。世界の森林の伐採の限界、世界の漁場は開発され尽くした。あと20~30年もすれば、さらに30億人もの人間が大量消費するようになって、資源の枯渇に拍車がかかる。(ジャレド・ダイアモンド)
★ 日本は残念ながら世界漁場における過剰捕獲国の一つであり、世界の漁場安定化にためにリーダーシップを発揮すべき立場であるのに、まだそうしていない。これが現代日本の矛盾点です。(ジャレド・ダイアモンド)
★ アメリカ最大の民間輸出品目は、民間航空機でしょうが、民間航空機とは、要するに改良を加えた爆撃機のことですね。唯一市場原理だけで動いているのが金融部門です。だから何度も破綻する。世界を括目させたアメリカの大量生産システムも、政府の防衛部門によって開発された。(ノーム・チョムスキー)
★ 科学の歴史を振り返ってみると、叡智というものは、アイザック・ニュートン、ジョン・フォン・ノイマン、アラン・チューリング、アインシュタイン、などの「個人知能」によってもたらされているのがわかります。わずか100人の個人が、知的革命によって西欧の科学と言うものを形作ってきたわけで、大衆の「集合知能」のほうは、逆に科学を何百年も停滞させてきたのです。(マービン・ミンスキー)
★ 問題は研究者がロボットに人間のまねをさせることに血道をあげているということ、つまり単に「それらしく見える」だけの表面的な真似をさせることに夢中になっているというところにあります。なぜ福島原発にロボットを送りこんで作業させられなかったか、30年前の進歩はほとんど止まっている。(マービン・ミンスキー)
⇒※パラパラをロボットに踊らせる日本人開発者?(※個人注釈です)
★「生命とはDNAに保存された情報である」(ジェームズ・ワトソン)
さて二回目、読み始めようか、、、。
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