2016年10月20日木曜日

ストレートでウィスキーを飲むということ

「お手数をかけました。ウィスキーを飲んでいってください」英国人作家グレアム・グリーンの「ヒューマンファクター」という小説の中で、主人公が息子のはしかの往診に来た医者に向かって、帰り際にかける言葉である。

 二十数年前前のことになるが、ロンドンの取引先の人から自宅に招待されたときの話だが、訪問した時間が夕刻だったとは言え、ウィスキーをふつうにストレートで出された。日本風のおつまみも、氷も、薄めるための水もなく。イギリス人がウィスキーにかける思いって、日本人の飲酒文化とはぜんぜんちゃうんだ、とかなりの衝撃を受けたことをいまでも鮮明に記憶している。

 村上春樹の「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」はスコットランドのアイル島、アイルランドの醸造元を巡るウィスキー紀行で、各地のうまいウィスキーを飲みながらのパブやホテルをハシゴしてゆくお話。村上春樹独特の時間の流れ方が味わえる。この本に感化され、紀行文中に紹介されていた「ブッシュミルズ」をアマゾンで求め、ストレートでちびちび飲んで、二人の作家の雰囲気を味わってみた。あー、やっぱりワシは、乾き物でいいからツマミが欲しい。氷入れて水で少し薄めたいわ、。

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